自分の進路を反対する親を説得することはできるのか

暮らし

人生の中で、無数の選択肢から選ばなくてはいけない状況ってありますよね。

そんな時自分と親で選択肢が異なると、関係がギクシャクしてしまうかもしれません。

結論から言うと、親への説得はしないで自分の進路は自分で判断しましょう。

どうしてこの進路を希望するのか親に伝えることは大切ですが、それに納得するかしないかは親次第です。

無理やり自分の意見で相手をねじ伏せるのは互いに良くありません。

親への説得なしに自分で判断することに抵抗を感じるかもしれませんが、私は自己啓発本「嫌われる勇気」を読んで解決しました。

最終的な判断は「自分の課題」

ベストセラーの自己啓発本「嫌われる勇気」では、アドラー心理学における「課題の分離」という考え方が紹介されています。

以下は、「嫌われる勇気」から引用した部分を含みます。

「課題の分離」とは、「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題を分離する考え方です。

あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込む、もしくは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされます。

例として、自分の進路先について親と対立したことを挙げます。

親は、将来苦労しない道を子供に進んでほしいために一流の大学、或いは企業への就職を勧めます。

しかし自分は、将来性があるとは言い難いものの、好きなことや特技が生かせる道に進もうとしています。

この場合、あなたならどうしますか?

  1. 親の言うことを聞く
  2. 我が道を進む

ここで「課題の分離」の考え方を用いると、自分の進路に関する最終的な決定権を持っているのは,「自分」です。

つまりこれは「自分の課題」であって親の課題ではありません。

自分の最終的な判断に対して、もし親が批判するようなことがあれば親は子供の課題、つまり「他者の課題」に土足で踏み込んでいることになります。

対人関係のトラブルに繋がってしまうわけです。

対人関係のトラブルを避けるには、他者の課題には踏み込まない必要があります。

踏み込まないとは、親に放任主義を勧めているわけではありません。

親は子供にアドバイスをするだけ。子供の進路選択は子供自身の課題であるので、最終的な判断は子供に委ねる。

後は子供の判断に口出しはせず、困ったときにはいつでも援助する用意があるというメッセージを送る。

親は子供の課題までも自分の課題だと思って抱え込んでいる場合がありますが、それでは人生から「わたし」(この場合は親自身)が消えてしまいます。

しかし子供と親はそれぞれ独立した個人。

子供は親の期待を満たすために生きているのではないことを理解しておかなくてはいけません。

つまり今回の例だと、子どもの選択肢

  1. 親の言うことを聞く
  2. 我が道を進む

このどれかを選ぶのは子供自身というわけです。

しかし何らかの選択肢を選んだからには、その人生に責任を持つのも子供自身です。

自分が選んだ道に正解も不正解もないと私は思っています。

親の言ったことに従えば、あの時自分がやりたかったことに進んでいればという後悔が生じるかもしれません。

我が道を進んでいれば、挫折した時に親の言うことを聞いておけばよかったと思うことがあるかもしれません。

そんな時は途中で選択肢を変えることも可能です。

現代は選択肢を変えるというハードルがそんなに高いものではないからです。

人生100年時代は転職が当たり前ということを忘れずに

幸いなことに、現代は多様化の時代です。

私たちの親世代は、勤めた会社に定年まで働き続けることが一般的で、転職にはマイナスのイメージがありました。

良い大学に入って良い企業に就職することが勝ち組の人生だった時代だからです。

しかし現代では転職するのが当たり前になりつつあります。

むしろ平均寿命が100年を超えるであろう時代において、同じ企業で働き続けていたら退職前に会社が倒産しているかもしれません。

そんな時代においては、同じ会社に固執している方が生活苦に陥りやすくなるでしょう。

転職に備えてスキルも常に更新していく,それがこれからの現代を生きていくうえで重要な点です。

つまり、親世代の頃と社会の仕組みが今も変わらないと思っている親の考えを何の疑いもなく信じてしまうのは危険だということです。

親の言っていることに信ぴょう性があるのか、その点を客観的に疑うことも自分の進路を考えるうえで重要になってきます。

自分の選択で、親との関係がギクシャクしたとします。

しかし自分は親との関係を修復するために親を説得しようとすべきではありません。

関係を修復したいという意思を表示するにとどめ、その後の判断は親自身の課題なので親に任せます。

それで親の判断が自分の気持ちと違っていたとしても、親と自分は独立した存在なのだから自分の思い通りにならなくて当然だと考えることが大切です。

恐らく多くの場合、親子の対立は時間が解決してくれるものです。

そこまでシリアスにならず、気長に時が過ぎるのを待つことも大切です。

 

私の大学選択にまつわる話(興味ないかもです)

私は大学生になったら地元北海道から抜け出し、本州で生活することに憧れを感じていました。

一人暮らしを経験したかったことが一番の理由でした。

最終的に、地元札幌の大学と豊田工業大学の2つ受かりました。

勿論私は豊工に行こうと考えていました。

※地元札幌の大学 → ネームバリューのある大学。

豊田工業大学 → ネームバリューはないが、就職率100%

そこで母と対立してしまいました。

母は、一人暮らしはお金がかかるし心配だから地元に残ってほしいと私を説得しようとしました。

一方で私は、豊工は実習やインターンが必修科目に含まれており、就職までに様々な経験ができて有意義に過ごせると母を説得しようとしました。

最終的に私は豊田工業大学を選択。

一人暮らしを初めた当初はホームシックになって、この選択を少し後悔した時期もありましたが、今では名古屋に来て充実した日々を送れていると満足しています。

しかし帰省の時にその旨を母に伝えても、母は札幌の大学の方が良かったと一点張り。今なおそうです。

私は納得しない母を見てイライラして時には怒ってしまうこともありました。

その後、「嫌われる勇気」を読んでアドラー心理学の「課題の分離」の考え方を知りました。

一生母に納得されなかったとしても、それは母の課題だから私は手出ししてはいけないのです。

反対に母の態度がどうであれ、私は私の課題にどう向き合おうが私の自由だということを忘れずにいきることにしました。

すると肩の荷が下りて前よりもずっと生きやすくなりました。

対人関係のトラブルが生じたときは、この問題はだれの課題なのか考えてみることで自分と他者を分離して客観的に物事をとらえやすくなると思います。

アドラー心理学の考え方を自身の生活に取り入れると、今までと違う視点から物事を捉えられるようになります。

ロングベストセラーである「嫌われる勇気」に少しでも興味が湧いた方はぜひ読んでみてください。

その後に出版された「幸せになる勇気」は、アドラー心理学の考え方を実践して行き詰まった時に読んでみると解決の糸口が見つかると思います。

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